医療事務の資格って、種類が多くて違いがわからない…。
結局、どの資格を選べばいいんだろう？
こんな悩みを抱えていませんか？
実は、医療事務の資格は20種類以上あり、主催団体や難易度、活かせる職場もバラバラ。
調べるほど混乱して、「結局どれを選べばいいの？」と悩む方も少なくありません。
この記事では、数ある医療事務の資格の中から信頼性が高く、現場で役立つ主要9資格を厳選して紹介していきます。
＼ 9資格の選定基準 ／
- 実用性…実際の医療現場ですぐに役立つスキルが身につくか
- 認知度…医療機関側がその資格を知っていて、採用時に評価されやすいかどうか
- 将来性…IT化の知識など、今後も医療現場で必要とされ続ける資格か
さらにそれぞれの資格について、以下の3つのポイントで比較・解説していきます。
＼この記事で比較するポイント／
- 難易度
- 受験のしやすさ
- 資格の特徴やおすすめの人
主要な9つの医療事務の資格を一覧で比較しながら、初心者にもわかりやすく解説します。
この記事を読めば、あなたが本当に知りたい「自分にぴったりの医療事務資格」がきっと見つかります。
未経験で医療事務にチャレンジしたい方も、安心して読み進めてみてください。
はじめに：医療事務の資格は「必須ではないけれど、取る価値が大きい」理由
そもそも医療事務で働くのに、資格って必要なのかな…？
こんな疑問を持つ方も多いですが、実は、医療事務は資格がなくても働けます。
実際に無資格・未経験で採用されるケースもありますが、資格を持つことで以下のようなメリットがあります。
- 就職・転職で有利になる
- 資格手当がつくことがある
- 業務の理解が早まり、即戦力になれる
まず、特に未経験者にとって、資格は「基礎知識がある」ことの証明になります。実際に、資格保有が応募条件になっている求人も少なくありません。
また、職場によっては、特定の資格を保有することで月5,000円前後の資格手当が支給されることもあります。年間にすると約6万円の収入アップになる可能性があり、家計面でも心強い味方になります。
さらに、医療事務の仕事では、診療報酬請求など専門知識が求められる場面も多いため、あらかじめ基本知識を身につけておくと、入職後の研修や実務をスムーズに進めやすくなります。
このように、「これから医療事務を目指す方」はもちろん、「現場で長く安定して働いていきたい方」にとって、資格取得は大きなメリットが！
ここまで読んで、「そもそも医療事務ってどんな仕事なの？」と感じた方もいるかもしれません。
資格を取る前に、仕事内容をしっかりイメージしておきましょう。
医療事務の主な仕事内容
医療事務とは、病院やクリニックなどの医療機関で、受付・会計・診療報酬請求などを担当する事務職です。
患者さんと医療スタッフの橋渡し役として、現場を支える大切な存在！
医療事務の業務は多岐にわたりますが、主に以下の3つのカテゴリーに分けられます。
- 受付・接客業務
- 会計・診療報酬請求・レセプト業務
- 医療クラーク業務
①受付・接客業務
来院患者の保険証確認、問診票の記入依頼、診察券の発行、病院内の案内などを行います。
患者さんの不安に寄り添い、安心感を与える接客スキルやコミュニケーション能力が求められます。
②会計・診療報酬請求・レセプト業務
診察終了後、カルテや診療報酬点数に基づいて患者さんの支払い金額を計算し、会計を行います。
最も専門性が高い業務の一つで、医療機関が保険者（健康保険組合など）に医療費を請求するための「レセプト（診療報酬明細書）」を作成・提出します。近年は、原則オンライン提出が義務化されています。
医療制度や診療報酬点数は定期的に改正されるため、常に知識のアップデートが必要です。
③医療クラーク業務
医師や看護師の事務作業を補助し、患者さんとの橋渡し役を担います。
外来患者の事務サポートをする「外来クラーク」と、入院患者の事務サポートをする「病棟クラーク」に分かれてます。
カルテや検査データの準備、手術スケジュールの管理、診断書など医療文書の作成、入退院手続きなどが含まれます。
医療事務の仕事内容がイメージできたところで、
じゃあ実際に医療事務として働くには、どんな資格が必要なの？
と疑問が出てきますよね。
そこで次は、数ある医療事務資格の中でも主要な9つの資格について、それぞれの難易度や特徴をわかりやすく比較してご紹介します。
医療事務資格の主要9種類の難易度と特徴を比較
医療事務の資格には多くの種類がありますが、すべて民間資格です。そのため、主催団体によって試験内容や難易度が異なります。
ここでは、主要な9つの医療事務資格について、難易度ランキング形式でご紹介します。
医療事務の資格はたくさんあり過ぎてどれを選べばいいかわからない方は、この主要な9つから選ぶと良いでしょう。
【医療事務資格 難易度ランキング】
| 順位 | 資格名 | 主催団体 | 合格率（目安） | 難易度 | おすすめポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 医療事務検定試験 | 日本医療事務協会 | 約90% | 低 | 短期間で基礎を習得したい初心者向け。日本医療事務協会の医療事務講座の修了が受験条件。 |
| 2位 | 医療事務技能認定試験 | 技能認定振興協会（JSMA） | 約85% | 低 | 医療事務に関する基礎を固めたい初心者向け。レセプト作成に必要な知識を問われます。在宅・インターネット受験が可能。 |
| 3位 | 医療事務技能審査試験（メディカルクラーク®） | 一般財団法人 日本医療教育財団 | 約80% | 中 | 医療事務全般の幅広いスキルを習得したい人におすすめ。40年以上の歴史と163万人以上の受験者数を誇る最大規模の試験で、業界での信頼性が高い。毎月受験可能。2024年7月よりIBT方式（インターネットを活用し、受験者自身の端末で自由な場所・時間に受験できる試験方式）に移行。 |
| 4位 | 医療事務認定実務者® | 全国医療福祉教育協会 | 約60～80% | 中 | 医療事務未経験者におすすめ。医療事務の基礎知識に加え、接遇・マナー、レセプト作成など実務に役立つスキルが身につく。毎月受験可能。 |
| 5位 | 医科2級医療事務実務能力認定試験 | 全国医療福祉教育協会 | 約70% | 中 | レセプト作成の専門知識を強化したい人におすすめ。診療報酬請求事務能力認定試験へのステップアップとしても有効。 |
| 6位 | 医療事務管理士®技能認定試験 | 技能認定振興協会（JSMA） | 約50% | 高 | 日本初の医療事務資格で、幅広い医療機関で認知されている資格。レセプト作成の実践的な能力が問われる。在宅・インターネット受験が可能。 |
| 7位 | 医師事務作業補助者実務能力認定試験（ドクターズクラーク®） | 一般財団法人 日本医療教育財団 | 約70% | 中 | 医師の事務作業をサポートする専門スキルを身につけたい人におすすめ。診断書作成や電子カルテの代行入力などに興味がある人にも◎ |
| 8位 | 医療事務OA実務能力認定試験 / 電子カルテオペレーション実務能力認定試験 | 全国医療福祉教育協会 | 約70% | 中 | 医療現場のIT化に対応したスキルを証明したい人におすすめ。 レセプトコンピュータ（レセコン）や電子カルテの操作スキルを証明できる。実務経験者や基礎知識がある方のスキルアップに◎ |
| 9位 | 診療報酬請求事務能力認定試験 | 公益財団法人 日本医療保険事務協会 | 約30～40% | 最難関 | 医療事務資格の最高峰。厚生労働省が唯一認定する資格で、医療機関からの評価が非常に高い。レセプト作成のプロフェッショナルを目指す人におすすめ。年に2回のみの会場受験。 |
※上記の合格率や試験内容は、時期によって変動する可能性があります。
なぜこの9つを厳選したのか？選定理由と根拠
医療事務の資格は数多くありますが、今回はその中でも「実用性」「認知度」「将来性」の観点から、特に信頼性が高く役立つと判断した9つを厳選しています。
以下に、その根拠と理由を解説します。
✅ 幅広い業務領域をカバーできる資格
医療事務の仕事は、受付・会計業務、診療報酬の請求（レセプト作成）、クラーク業務（医師や看護師のサポート）など多岐にわたります。
今回紹介した9つの資格は、こうした医療事務のさまざまな仕事に対応できるように選んでいます。
- 医療事務技能審査試験（メディカルクラーク®）：接遇からレセプトまで一通りのスキルを習得でき、診療所・病院・訪問診療所など幅広い職場で活かせます。
- 診療報酬請求事務能力認定試験：難易度は高いですが、医事課やレセプト審査機関で働きたい方に特に評価されています。
- 医療事務OA実務能力認定試験・電子カルテオペレーション実務能力認定試験：医療のIT化に対応したスキル習得に役立ちます。
✅ 業界での認知度・信頼性が高い資格
就職や転職で資格が役に立つかどうかは、「業界からの信頼」が鍵です。以下の資格は、長年の実績と評価を持っています。
- 医療事務技能審査試験（メディカルクラーク®）：40年以上の歴史と累計受験者163万人を誇る、業界最大規模の資格。
- 医療事務管理士®技能認定試験：日本初の医療事務資格で、多くの医療機関に広く認知されています。
- 診療報酬請求事務能力認定試験：厚生労働省が唯一後援している資格で、特にスキルの高さを証明できます。
こうした資格は、業界で認知されている分、「専門知識があることの証明」となって他の応募者との差別化につながります。
✅ 初心者から経験者まで対応できるラインナップ
今回の9つの資格は、これから医療事務にチャレンジしたい未経験の方から、さらなるスキルアップ・キャリアアップを目指す方まで、幅広く対応可能です。
「どれを選べばいいか分からない…」と悩む方も、まずはこの中から目的やライフスタイルに合ったものを選べば、第一歩を踏み出せる！
医療事務の資格選びに迷ったら、まずはこの9つの中から検討してみてください。目的別・レベル別に選べば、効率よくスキルを身につけ、就職・転職活動を有利に進めることができます。
資格の全体像がつかめたら、次は「自分にはどの資格が合っているのか」を考えてみましょう。
働きたい場所や、やってみたい仕事によって、選ぶべき資格は変わってきます。
ここからは、目的別におすすめ資格を紹介していきます。
自分に合う医療事務資格の選び方：目的別で最適な資格を見つける
医療事務の資格にはいろいろな種類がありますが、「自分にぴったりな資格ってどれだろう？」と悩む方も多いはず。
そんなときは、
- どこで働きたいか
- どんな仕事をしたいか
この2つの視点から考えると、ぐっと選びやすくなります。
ここでは、働く場所・仕事内容・スキルアップの目的などに合わせて、あなたに合ったおすすめの資格をご紹介します。
どこで働きたいかで選ぶ
医療事務の仕事内容は、勤務先の規模や種類によって異なります。
病院（病床数20床以上）
病院は診療科が複数あり患者数が多いため、受付、外来、病棟、保険請求などの分野に分かれて業務を行うことが多いです。
特定の分野で専門性を磨きたい方、長く安定して働きたい方におすすめです。
診療所（クリニック）
診療所（クリニック）は、病床数が19床以下の小規模な医療機関を指します。
診療所では、受付・会計・レセプト・電話対応・クラーク業務など、ひとりで幅広い業務を担当することが多くなります。
そのため、医療事務のスキルを一通り身につけたい方には最適な勤務先です。
また、自由診療を扱う診療所では、保険診療よりも高い報酬が得られることもあり、収入アップを目指す方にもおすすめです。
多岐にわたる業務に対応できるよう、下記のような基礎から実務までカバーした資格が役立ちます。
訪問診療所、訪問看護ステーション
在宅医療のニーズの高まりと共に、医療事務の求人が増加しています。
訪問診療所、訪問看護ステーションは対面受付がなく、電話での受付が主です。
治療院（接骨院、整骨院など）
治療院では、クリニックと同様に
受付・会計・クラーク・レセプト・電話対応など、幅広い業務を行います。
夜間まで開いていることが多いので、治療院で働きたい場合は、ライフスタイルに合うか確認が必要です。
どんな仕事をしたいかで選ぶ
医療事務の仕事は多岐にわたるため、希望する業務内容によって選ぶ資格が変わります。
医療事務系（一般的な医療機関の事務を目指す）の仕事をしたい人
【主な仕事内容】
会計・受付業務、レセプト作成、外来クラーク業務などを担います。
医療事務系の仕事では、基本的な事務スキルが求められます。
そのため、未経験の方や、基礎知識と実務スキルをしっかり身につけたい方は下記の資格がおすすめです。
医療秘書系（医師や看護師のサポート、秘書業務）の仕事をしたい人
【主な仕事内容】
医師のスケジュール管理や書類作成を行う医局秘書業務や、入退院の手続きなどを行う病棟クラーク業務など、
一般的な医療事務に加えて、医師や看護師を支えるサポート業務も担当します。
こうした医師や看護師のサポート業務を目指す方には、下記のような資格が役立ちます。
医療コンピュータ・電子カルテ系の仕事をしたい人
【主な仕事内容】
電子カルテやレセプトコンピュータを使った診療情報の入力・管理、会計処理、レセプト業務など、医療現場のIT化に対応したオペレーション業務が中心となります。
医療事務の実務経験者や一般的な医療事務の知識がある方で、さらにスキルアップしたい方には下記の資格がおすすめです。
その他の選び方のポイント
医療事務として「どこで働きたいか」「どんな仕事をしたいか」の他にも、選び方のポイントは下記があります。
- 就職活動での強みになるかどうか
- 学びやすさ・受験しやすさ
業界で広く知られている資格であれば、採用担当者の印象に残りやすく、選考時のアピール材料になります。
また、学びやすく受験しやすい資格を選べば、通信講座や在宅・オンライン受験を活用して、忙しい方でも短期間での取得が目指せます。
子育て中でも、在宅受験やオンライン受験ならチャレンジできそう！
目指したい資格が決まったら、次に気になるのは「どうやって資格を取得するか」ではないでしょうか？
次は、医療事務の資格を取るためのおすすめの勉強方法についてご紹介します。
医療事務資格の効率的な勉強方法は？自分に合った方法を選ぼう
医療事務の資格を取りたいけれど、具体的にどうやって勉強すればいいんだろう？
そんなふうに悩む方も多いのではないでしょうか。
資格取得を目指す際の主な勉強方法は、次の3つです。
- 独学
- 通信講座
- 専門学校・通学講座
それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の性格やライフスタイルに合った方法を選ぶことが、ムリなく合格へ近づくコツです。
ここからは、それぞれの学習スタイルについて、特徴や向いている人をご紹介します。
① 独学
✔ 費用を抑えたい・自分のペースで学習を進めたい人におすすめ
② 専門学校・通学講座
✔ 手厚いサポートを受けながら確実に学びたい人におすすめ
③ 通信講座
✔ 自分のペースで学びたいけど、サポートも欲しい人におすすめ
それぞれの学習方法にはメリット・デメリットがありますが、いちばん大切なのは「自分に合った方法」を選ぶこと。
ムリなく続けられる方法を選ぶことで、合格までの道のりもぐっと近づきます。
勉強方法はわかったけど、資格を取るための実際の手順はどうすればいいの？
そんな疑問を持った方のために、次のパートでは「医療事務資格を取得するまでの流れ」をステップごとに、わかりやすくご紹介します。
医療事務資格取得までの一般的な流れ
自分の目的やキャリアプランに合う資格を選びましょう。
毎月実施される試験もあれば、年に数回しかない試験もあります。
必要な学習期間から逆算してスケジュールを立てましょう。
各試験の実施機関のウェブサイトで、申込書を入手し、期日までに受験費用を支払います。
試験によっては会場受験か在宅受験が選べます。
テキストや資料の持ち込みが許可されている試験も多いです。
試験後約1ヶ月ほどで通知が届きます。
合格証は就職活動で重要なアピールポイントとなるので、大切に保管しましょう。
具体的なステップを知ると、不安もグッと減って行動にうつしやすい！
まとめ｜あなたにぴったりの医療事務資格で、一歩踏み出そう
この記事では、主要な9つの資格について、難易度・特徴・おすすめの人などを比較しながらご紹介しました。
医療事務の仕事は、資格がなくてもスタートできますが、資格を取得することで就職・転職が有利になり、仕事の幅も広がります。
また、資格手当がつく職場もあるため、長く安定して働きたい方にとっては心強い味方になります。
医療事務資格は種類が豊富だからこそ、
- どんな働き方をしたいか
- どんな職場で働きたいか
を明確にし、目的に合った資格を選ぶことが大切です。
学び方にも、独学・通学・通信講座など、さまざまな方法があります。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、ライフスタイルに合った方法を選び、最後までやりきれるかどうかも、資格選びの大切なポイントです。
どの資格がいいか迷ったときは、「早く資格を取りたい」「費用はどれくらいかけられるか」「サポートが欲しい」など、あなたの優先したいことを整理してみてください。
この記事が、あなたにぴったりの医療事務資格を見つけるきっかけになり、自分らしく働ける未来への一歩を踏み出す後押しとなれば嬉しいです。
